古ぼけた宝箱の中は 良心の麻痺した かびの生えた道徳教典 核心に迫りくる憂鬱 愛していたかった あなたが創り出した甘美なうたを 見渡せば娑婆苦にゆがむ景色 汚れのない夢を! 明日のない僕らの世界に 誰もが天才舞台役者 何もしらずにいた 微細に綴られていくシナリオ 梢から枯れていく立木のように 痛みは消えることもなく 手足のほうから先におかされて みじめな姿に凍りついた 追いかけて追いかけて手に取った宝箱 青い疲労があなたの声を静かに奪っていくわ 押しつけられた台詞は捨てて降りてしまおうこの舞台から あなたのことを愛した数だけ真綿で首をしめつけてあげる 演じきれないこころの中を懸命に歩いていく 頼りない夢をみている あなたの創った虚像の神が声をもてたら 追いかけて追いかけて手に取った宝箱 青い疲労があなたの声を静かに奪っていくわ 押しつけられた台詞は捨てて降りてしまおうこの舞台から あなたのために感じた痛みも知ることさえないままに 苦しくて哀しくて 救いのないこんな舞台に 未練がましくすがりついているあなたの影が見えるわ 過ぎていけ過ぎていけ何もかもここを過ぎていけ 大切なものたくさんあるほどあなたの人生は長くないわ