見透かされることを恐れてありふれた道化を演じあい 可哀想なあなたの表情に押しつぶされてゆく 夢は時の中に色あせて大人になっていくのかしら いつか覚えた…辛いときにも涙こらえて何気なくふるまうことを 人の性を知りすぎたあなたのこころにかげる倦怠の兆しを 苦い記憶の痛みとともに連れ去ってやることができたらいいのに 遠くへ 幼き日々を夢に描き出せばいつか広がる霞の世界に憧れを抱くわたしの面影 思い出にしたくない 清らかなあなたを こんなにも愛しいあなたが汚されてゆく 霞の中で こんなにも愛しいあなたが傷ついてゆく 霞の中で 過ぎ去った日々を胸に映し出せばいつか広がる霞の世界を追いかけていくわたしの面影 誰もが幸せになれたらいいのに こんなにも愛しいあなたが汚されてゆく 霞の中で こんなにも愛しいあなたが傷ついてゆく 霞の中で 迷い子のようにあなたがさまよっている 霞の中を 届きそうなのに届かないあなたの心は 霞の中に 見透かされることがこわくて何気ない空疎なことばだけど 声にならない真実は胸のなかそっとしまってあるの あなたの傷口がわたしの最後の思い出ならば かなしい因果の忘却とやすらぎをもたらしてあげたい 人の性を知りすぎて何も見えないあなたの痛ましいこころに ふるえるほどの愛のうたを聴かせてあげたい この胸の内を旋律として 霞の中のあなたのこころへ